恩師というか彼女なんですが、いい言葉をもらいました。
トラックバック野郎のお題「わたしを変えた恩師の一言」に答えて、今日はその言葉をご紹介します。
数年前のことです。
突然の腰痛に襲われ、そんな年でもないのにとびっくりして、とにかく病院に行ったんです。
その時は椎間板ヘルニアとは言われませんでしたが、背骨の間の軟骨が飛び出して、周りの神経を圧迫している、という説明を受けました。
医者にすがっている患者の気持ちというのは、先生に診てもらって何もかも治ってスッキリしたい、というものだと思います。ていうかそうでした。
しかしその時の医者はひどかった。
「腰痛は一生治りません。筋肉を鍛えて背骨を支えたり、血行を良くしたりすれば痛みは和らぎます。でも決して元通りに治るということはありません。」
そして「腰痛体操」と書かれたチラシをもらいました。
それと、すぐに筋肉がつく訳ではないからということで、コルセットを買わされました。腰痛体操をサボったり、寒くて血行が悪くなった時にもこれを使うように言われました。
つまり、一生これを使えというのです。
僕は打ちひしがれました。
残りの人生でやれることが、ぐっと制限されてしまったように感じたのです。
つい自虐的になって彼女に「僕が動けなくなっても世話しなくていいから」と、子供みたいなことを言ってしまいました。
少しは慰めてくれるのではないかという僕の期待を、ひょいと飛び越えて彼女は言いました。
「ブルース・リーは克服した!」
初めはふざけてるのかと思いました。
こっちは真剣に落ち込んでいるのに、そんなこと言うなんて…。
でもそうではありませんでした。
ブルース・リーは脊椎を痛めて手足が動かなくなり、医者から一生格闘技はできないと言われたことがあるのです。
それでも努力に努力を重ね、リハビリを通り越してカンフー映画に出られるようにまでなりました。
彼女はそのことが言いたかったのです。
なんだか、医者は絶対だと思っていた自分がアホらしくなってきました。
その日、僕は病院で買ったコルセットをゴミ箱に捨てました。
腰痛体操を、無理のないように少しずつ毎日続けました。
そして今は、普通の人と同じように、不自由なく暮らしています。
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